No.15「UN Titled」

作者は女性彫刻家でチェコ生まれ、アメリカに移民した作家です。
家業が製材業であり、木に親しみながら成長したこともあって、木を素材とした作品を制作するようになりました。独自のスタイルを確立したのは1950年代になってからのことで、作家としてかなりの遅咲きといえるかもしれません。しかも、彼女のもっとも質の高い作品は70歳から80歳代に制作されたもので、「高齢になったからといって創造力が失われるとは限らない」ことを見る人に強く感じさせます。
彼女の作品は、底のない箱を横にして高く積みあげ、陳列箱状になった中に木片で創られたさまざまな形のものを納め、多くは黒一色で塗られていて、神秘的で厳粛さを漂わせるような作品です。この作品は、その作者による平面の作品です。この版画を通して彼女の存在の一端を感じていただければと思います。


作品解説:
彫刻家望月 菊麿