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長時間透析について

標準的な血液透析(週3回、1回4時間)以上に時間をかけて透析を行う方法は、通常の通院透析で行う長時間透析(週3回、1回6時間以上)、在宅血液透析、オーバーナイト透析があります。

長時間透析のすすめ

人間の腎臓は1週間で168時間(24時間×7日間)、休みなく働いています。しかし、標準的な血液透析では週12時間(4時間×3回)と、1/10以下の時間しか働いていないことになります。1日24時間働いている腎臓の機能に近づけるためには、透析時間をより長くすることが必要で、これにより生命予後は改善します。
長時間透析は週3回、1回6時間以上の血液透析を行う方法です。長時間透析は国内の大多数の施設で行われている標準的な血液透析(週3回、1回4時間)に比べて、緩やかに、より多くの尿毒素や水分の除去ができるため、合併症が減少し、貧血や栄養状態が改善することなどから、生命予後やQOL(生活の質)も改善することが実証されています。
全国の標準的な血液透析の10年生存率は40%弱ですが、東葛クリニックグループの10年生存率は60%で、20年生存率は40%を超えています。東葛クリニックグループでは現在、4時間透析が主流ですが、全国との生存率の大きな差は、診療所と病院が一体となって、一つの電子カルテの下で緊密な連携を取りながら、患者さんのリスク管理を一元的に行っている成果だと考えています。
東葛クリニックグループでは更なる生存率の向上を目指して、6時間透析に積極的に取り組んでいます。6時間透析を希望していて、現在、透析を受けている施設では対応していただけないという方はぜひご連絡ください。 迅速に対応させていただきます。

具体的なメリット

  • 生命予後の改善
    少し古いデータですが、日本透析医学会が、同一血流量で、週3日透析をした場合の、透析時間と生命予後の関係を分析したものです。これによると透析時間が長いほど生命予後がよくなることがわかります。また、4時間透析の10年生存率は全国では40%弱ですが、6時間透析では55%であったという報告もあります。このように、標準透析と比べて長時間透析の生命予後改善効果は明白です。ただ、実際に実施するためにはいろいろと現実的な制約条件があるため、全国的な6時間以上透析の実施率は数%程度にとどまっています。
  • 合併症発症リスクの低下
    緩やかにより多くの尿毒素や水分を除去できるため、検査データ(BUN等)が改善するとともに、無理なくドライウエイト(血液透析終了時の目標体重)を達成することができ、また、透析中や家庭における血圧のコントロールが良好となり、時間除水量の減少により、心臓の負担も軽減され、心機能の改善も期待できます。
    長時間透析によって、尿毒症物質などの造血を阻害する因子が除去されるとともに、食欲増進に伴う栄養状態の改善などによって貧血が改善します。さらに、β2ミクログロブリンの除去効率がよくなるため透析アミロイド症などの合併頻度も減少します。
  • 食事制限の緩和
    長時間透析によってカリウムやリンなどの除去効率が上がるため、カリウムやリンの摂取制限が緩和されます。食事制限の緩和に味覚障害の改善が加わり、食欲が増進します。その結果、栄養状態が良くなり、タンパク代謝、BMI(体格指数)、免疫状態が改善します。高齢者ではフレイル(Frailty 虚弱や老衰)の改善にもなります。
  • 薬剤使用量の減少
    カリウムやリンなどの除去効率が上がるとともに、貧血が改善するため、薬剤必要量(P吸着剤、高カリウム血症治療薬、エリスロポエチン等)が減少します。
  • その他
    皮膚の痒みや黒ずみ、レストレスレッグス症候群(Restless Legs Syndrome、むずむず脚症候群)、味覚障害、下肢の痙(つ)り、透析中の血圧低下、透析直後のだるさなどが改善します。日常生活の質(QOL)が向上し、活力が出ることにより、体力づくりの運動が出来るようにもなります。介護人がいる場合は、介護負担の軽減にもつながります。

考えられるデメリット

  • 栄養摂取量が少ない場合には低カリウム, 低アルブミン、特に低リン血症になることがあります。
  • 食事量が増すことにより、塩分摂取が増加する可能性があるため、塩分制限が必要となることがあります。
  • 拘束時間が長くなります。そのため、運動不足になる方もいます。