院内美術散歩

No.33 「ノーベル賞作家シリーズ」 No.33 「ノーベル賞作家シリーズ」

元永 定正は、三重県出身の芸術家です。最初は漫画家を志します。戦後、文展系画家に師事し洋画に転向。1955年、吉原治良が率いる具体美術協会(日本の現代美術の創生期に誕生した前衛的美術表現の集団)に参加し、絵画にとどまらない表現を始める。
煙を使ったパフォーマンス・着色した水を入れたビニール袋を空間に配置する空間造形・キャンパスに絵具を流し、たらし込みによる抽象絵画など、独創的な作品で世界的に注目される。1966年、ニューヨークのジャパンソサエティに招かれて渡米、以後エアブラシを用いた明快な色彩。単純で有機的な抽象形態からなるユーモラスな表現に変化、現在の作風に至る。多様な表現を経た後、初志の漫画家への夢が形を変えて新しい表現に繋がったのかも知れません。
東葛クリニック柏に展示されている「ノーベル賞作家シリーズ」の一点は、青い空を背景に笠をかぶったヌーボーとした顔なのか、山の形をしたロケットが吹き流しをなびかせて空を飛んでいる形なのか……。何ともユーモラスなイメージを持った画面です。
元永さんは絵本も多数出されており、絵本の評価も高く、その明るさとユーモラスな形が大人・子供に境なく愛され、アートの小難しいイメージを笑い飛ばしてくれているようです。
美術振興協会賞、日本芸術大賞、ソウル国際版画ビエンナーレ、兵庫県文化賞、紫綬褒章、大阪芸術賞、宝塚市文化賞、勲四等旭日小授賞等受賞多数。ベネチアビエンナーレ・パリ具体美術展・カニュー国際展等、国際美術展に招待出品多数。

作品解説:
彫刻家望月 菊麿