No.09「喚起装置」

横長の画面が升目に区切られ、赤・青・黄・紫……等に彩られています。作者は病院のホールにこの作品が掛けられることを念頭に、心や体が明るくなるように、みずみずしくあるように、また活力あふれるようにと、具体的なかたちを用いずに、筆の勢いと色とリズムをもって描きました。春の緑、夏の黄や赤、秋の茶、冬の白や青。一年の四季を通じていきいきと健やかにあることの願いを込めて描いています。


作者の本来の仕事は彫刻ですが、今回初めて色をもつ絵画を試みました。技法はマスキングテープで境目を作り、彩色する方法です。幾何学的な直線と、人の手による自由な筆致との対比が、リズミカルでのびやかな画面を作っています。


作品解説:
彫刻家望月 菊麿