慢性腎臓病は最近ではCKD(Chronic Kidney Disease)という呼び方で注目を集めていますが、わが国にはその患者さんが1,300万人にも達しています。その中でも、尿に蛋白が出ていて、なおかつ「糸球体ろ過率」が50%以下という重篤な患者さんは約590万人もいます。


実は、尿蛋白が出るようになってからでは遅いのです。現在では尿蛋白が出始める前に、尿とともに排泄される微量アルブミンなどの検査を行い、患者さんの血圧や生活習慣を改善することによって、腎不全に至らないようにすることが可能になっています。


また、不幸にも腎障害が徐々に進行していくような場合でも、食事の蛋白制限や運動の制限、血圧の管理、貧血の改善、腎不全の環境改善などを行うことによって、腎不全の進行を遅らせることも可能になっています。


最近では、透析治療に至る主な疾患のうち、糖尿病の患者さんが50%を占めるまでになっています。つまり、糖尿病の治療をしているだけでは腎臓病の進行を食い止めることはできないというわけで、どうしても腎不全に対する専門的な管理が欠かせなくなってくるのです。そのような腎臓疾患の管理全般をこの外来で担っています。


ただ徒らに透析に至る腎臓病の患者さんを増やすことがないように、というのがこの診療部門開設の目的です。

担当医師(常勤)
小野﨑 彰(おのざき あきら)
腎臓内科部長
打田 健介(うちだ けんすけ)
腎臓内科医長
担当医師(非常勤)
藤田 省吾(ふじた しょうご)
東葛クリニック我孫子院長
小林 正貴(こばやし まさき)
東京医科大学茨城医療センター病院長、腎臓内科教授
安田 透(やすだ とおる)
池田バスキュラーアクセス透析・内科クリニック 副院長