当院の外科では、外科一般を診療領域としていますが、別に独立して消化器外科や呼吸器外科、血管外科、整形外科といった専門領域ごとに外科部門が存在しています。したがって当院の外科では、主に「二次性副甲状腺に対する外科的治療」に当っています。
主として長期透析患者さんに起きるこの病態は、不眠や皮膚のかゆみ、かかと、膝の痛みなど、症状は多彩で、透析患者さんの生活の質を低下させているものです。なおかつ、この病態が進むと、 心臓や足の血管の石灰化を助長させ、やがて心筋梗塞や足の壊死(えし)にまで至ることがあります。 これを治療するためには「りん」や「カルシウム」のコントロールが必要となってきます。しかし、薬物治療が限界に達するようになると、どうしても外科的な処置が必要となり、「副甲状腺の切除」が必要になってきます。
当院では過去15年間に200例以上の副甲状腺の切除術を施行していますが、とても良い成績を上げています。術前術後はクリニカルパス(入院診療計画書)に沿って、手術の前日に入院し、約10日から14日間で退院となります。抗生物質の投与は術中に1回のみとし、皮膚の切開創(傷口)もできるかぎり小さくすることを心がけています。また、頚部の筋肉の切断もほとんどしていないため、術後の痛みもほとんどありません。
当院には、経験豊富な熟練したスタッフが従事していますので、安心して手術を受けられます。長期間にわたって人工透析を続けているために「副甲状腺機能亢進症」に悩まれている患者さんや、薬物治療が合わないと悩んでおられる透析患者さんにはぜひ一度、受診することをお勧めします。
担当医師(常勤)
東 仲宣(あずま なかのぶ)
理事長、日本透析学会指導医
内野 敬(うちの たかし)
院長
佐々木 司(ささき つかさ)
副院長兼院長代行